移りゆく季の中で
代表取締役 石川信頼
(2023.6_vol08掲載)
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、2023年5月8日に変更されました。
新型コロナウイルスが日本で初めて確認されたのが2020年の1月。アルプスファクトリーの設計を開始したのがその1年ほど前でした。
当時は何か騒いでるなぁ程度でまさかこんなに続くとは思ってもおらず、設計事務所さんとの打ち合わせを着々と進めていたことを思い出します。
そして2020年の12月に着工に入るのですが、まだまだ新型コロナウイルスは収まるところを知らず、むしろガンガンと増えている状況でした。
このまま着工していいのか、すごく悩みましたが、やると決めたことですし、もう施工業者も決まっていて半ば無理やり着工しました。
引き渡しまでの10ヶ月間、コロナはとどまることを知りません。
毎日工事が進みながらも、手土産を主体とする菓子庵石川ではもちろん売上は落ちて行って、不安はますます大きくなっていきました。
が、不安だけではなく、多くの人に伊那谷の魅力を届けるという使命の下、設計した形になっていくアルプスファクトリーを見る度、わくわくも大きくなっていきました。
銀行さんからも年商以上のお金を借りて、返し終わる頃には私には孫がいることでしょう。
「こんなコロナの時によく建てたね」と言われますが本音を言ってしまうと「もう止まれなかった」というところです。
ただ、それも自分で招いた運命。建ててる最中にウッドショックもあり、結果的には止まらず突き進んで良かったと思っています。
自分自身で「それがいい」と思い、その日その時に全力注ぎ続けていれば納得する人生になっていきます。
「幸せは気づくもの」
コロナも5類に移行し、街でもイベント等増えていくでしょう。
菓子庵石川でもお菓子を通じて人とのつながり、地域とのつながり、世の中とのつながりの機会を提供し、ふとした日常の中にある幸せに気づく瞬間を創り続けていきます。