贈り物エトセトラ

水引（みずひき）とは、贈答品などにつける飾り紐のことです。贈り物に添えることで、贈る側の心を表し、受け取る側も贈られた意味を知ることができます。
のし紙では簡略化され紙自体に印刷される場合もよくあります。

水引の役割

• 魔除け・封印:

  • 水引には、贈り物を包み、未開封であることを示す役割があります。

  • また、魔除けの意味も込められています。

• 人と人を結ぶ:

  • 紐を結ぶことから、人と人の縁を結ぶという意味合いも持ちます。

• 心の表現:

  • 水引の色や結び方によって、贈る側のさまざまな気持ちを表すことができます。

水引の種類と意味

水引には、主に以下の2種類の結び方があります。

• 蝶結び（花結び）:

  • ほどいて何度も結び直せることから、何度繰り返しても良いお祝い事（出産、入学、新築など）に使われます。

  • 例：出産祝い、入学祝い、新築祝い

• 結び切り:

  • 一度結ぶとほどけないことから、一度きりであってほしいお祝い事（結婚、快気祝いなど）や弔事（葬儀、法要など）に使われます。

  • 例：結婚祝い、快気祝い、弔事

水引の色

水引の色にも意味があり、用途によって使い分けられます。

• 紅白:

  • お祝い事全般に使われます。

• 金銀:

  • 特に格式の高いお祝い事や、高額の贈り物に使われます。

• 黒白・黄白:

  • 弔事に使われます。

水引の歴史

水引の起源は、飛鳥時代に中国からの輸入品の箱にかけられていた紅白の麻紐であると言われています。江戸時代に入り、庶民の間で贈答の習慣が広まるとともに、水引も広く使われるようになりました。

現代では、水引は贈答品だけでなく、アクセサリーやインテリアなどにも使われています。日本の伝統文化である水引は、その美しい結び方や色合いで、人々の心を豊かにする役割を果たしています。

伊那谷の水引

水引の全国生産量の70%を占めている長野県飯田市。
アルプスからの清流と肥沃な大地が和紙の原料となるコウゾやミツマタなどが生育することから、飯田は和紙の製造が盛んで、江戸時代に普及した元結（大相撲力士の髪の根元を結い束ねる紐）を当時の藩主が和紙を活用して作らせたのが始まりだったそうです。