2023 SPRING vol.07号 掲載
菓子庵石川は1920年、創業者石川律治が菓子を作って卸売りを始めたところからスタートしました。前夜のうちに型に流しておいた羊羹を朝切って、夜明けを待って富県方面に自転車で小売店を回り、卸売りをしたと聞きます。時には前の日に降った雨で増水した三峰川の河川敷で水量が減るのを待ったということもあったそうです。そこで得た代金で帰りに原料を購入して、また夜菓子を作って翌朝販売に行く。文字通り自転車操業ですが、誠実、努力、謙遜な姿勢からお客様の頼を得ていきました。
by 石川信頼
創業するということは大変なエネルギーが必要です。それを乗り越え、今の菓子庵石川の基礎を築いてくれたことに感謝しかありません。今となっては創業の想いは知ることができませんが、お客様の頼を得ていったことから誠実な人柄がよくわかります。積んできていただいた徳を受け継ぎ、多くの人へ送り、また次の世代へ渡していく役を全うしていきます。